金属アレルギー(2019年文献から)
2024/05/18
2019年論文を照覧します
J Prosthodont Res
. 2019 Jul;63(3):309-312.
doi: 10.1016/j.jpor.2019.01.003. Epub 2019 Feb 7.
Current status of dental metal allergy in Japan
Masae Kitagawa 1, Satoshi Murakami 2, Yoshihiko Akashi 2, Hiroko Oka 3, Tomoaki Shintani 4, Ikuko Ogawa 4, Takashi Inoue 2, Hidemi Kurihara 5
アレルギーは、突然発症する可能性があります。その原因は様々あります。必ずしも歯科用金属のみが原因とは言い切れません。ただし、歯科領域で最も多いのは歯科用金属アレルギーです。ここで2006年~2016年にかけて歯科治療予定患者1225人に対して歯科金属アレルギーの分析(パッチテスト)を実施した研究についてみてみます。
結果:歯科治療予定者のうち、44%について金属元素に対する陽性反応がありました
ニッケル 22.5%
パラジウム 14.8%
亜鉛 11.5%
チタン 数名
この論文によれば、金属元素陽性者の2/3以上がすでに歯科用合金による被せものや詰め物の治療を経験していました。そのうち、半数は歯科用金属を除去したことで金属アレルギーの症状が改善しました。
この結論は、当院における金属アレルギー治療の臨床的な実感と相違ありません。