矯正器具でアレルギーになる可能性はありますか?
2024/01/18
アレルギーについて考えるとき、空気や排ガス、特定の食品、またはダニや動物を思い浮かべるでしょう。非常にまれですが、矯正装置にアレルギーを起こす可能性があります。
最も一般的なアレルギー反応は、診察中に使用されるラテックスや矯正器具のコバルトやニッケルが原因です。当院における、矯正器具にアレルギーがある可能性のあるいくつかの兆候、および歯科矯正治療のオプション、アレルギーに関する取り扱いについて説明します。
矯正器具に対するアレルギーの原因は何ですか?
ニッケル、クロム、コバルト、チタン、ステンレス、ラテックスなど
「Progress in Orthodontics」ジャーナルに掲載された研究では、歯列矯正患者にブレースによるアレルギーは頻繁に起こるわけではないが、チタンによる過敏症は患者の約4%に発生し、ニッケルの存在によるアレルギー反応は患者の14%に発生することが判明しました。矯正装置では、アーチワイヤーやブラケット、保定装置の一部にニッケルなどを含む合金がよく使用されます。次にラテックスアレルギーについてですが、一般人の 1% のみが罹患しますが、アレルギー反応は重篤になる場合があります。矯正器具を装着する前に、ご自身のアレルギーに気づいていただければ幸いですが、アレルギーによってはこれまで診断されていない場合もあります。
私は矯正器具でアレルギーになるでしょうか?
事前にご自身のアレルギーについて知っておきましょう
激しいかゆみのために口の中を掻きたくなったり、突然涙目や鼻水、あるいは最も極端なケースでは呼吸困難を経験したりする場合は、矯正器具に対してアレルギーがある可能性があります。矯正器具にアレルギーのある人の症状は、花粉症に伴う感覚に似ています。また、口と矯正器具の接触部分に発疹、じんましん、腫れ、炎症が生じる場合もあります。 矯正器具に対してアレルギーがあると思われる場合は、できるだけ早く矯正歯科医に相談する必要があります。歯科医はあなたの口を検査し、アレルギー反応の明らかな兆候を探します。矯正器具が原因の場合は、残念ながら矯正器具を取り外し、矯正治療を放棄することも含め対応策を検討しなければなりません。
アレルギーに関する当院の取り扱い
重篤な金属アレルギーやラテックスアレルギーの方は矯正治療ができません
ニッケル、コバルト、クロムなどにアレルギーがある場合、歯科矯正医はマウスピース矯正を推奨する可能性があります。 ただし、マウスピース矯正であってもラテックスアレルギーの場合には、エラスティック(ゴム)を使用しない保証はなく、その意味においてアレルギーの危険性を完全には排除できません。また、症例によってはマウスピース矯正単独では対応が難しい場合も多く、保定装置などを考慮すると金属アレルギー・ラテックスアレルギーの危険性がある際の安全かつ、完全な代替方法は存在しません。そのため、当院ではアレルギーの有無を事前に聴取し、少しでも心配がある方には医科(皮膚科など)を受診していただくようお願いしております。