矯正治療を始めるときに気を付けてほしいこと

「歯ならびを治したい！」その気持ちで,矯正を実施している歯科医院を受診されます.受診されますとまず初めに,検査と診断が行われ治療期間や方法,そして費用などが説明されます.あわせて,いくつかの注意点も説明されます.

しかしながら,「いくらかかるのかな」や「痛くないのかな」など心配事のために,なかなか受けた治療内容を良く理解されない方が見受けられます. 歯科医院には,それぞれ特色があります.

当院は矯正治療を専門としていますのでこれまでお聞きした,特に注意していただきたい点を記載したいと思います.

注意点１） 通院期間は３年（保定期間を含む）,とくに最初の１年は頻回の来院を必要とします.

「半年～１年おきに転勤がある」 「忙しくて土曜日や夕方にしか通えない」 「遠方のため通いづらい」 など,個別に制約がある患者様は治療方法が限られてしまいます.場合によっては,良好な治療結果に至らないかもしれません.ご自身の状況にあった歯科医院を選択していただくのがよろしいでしょう.

 

注意点２） 6カ月以上の未来院は原則初診扱いです.

「つい通院を忘れた」 「仕事・学業に専念するため通院を休んでいた」 理由は様々ですが,やむを得ず通院できなくなることはあると思います. 原則として６カ月以上未来院の期間が発生した際には再度初診として対応させていただきます.治療を開始して特に,最初の1年は極端に来院の間隔が空くことがないよう予定を調整してもらいます.

 

注意点３） 当院の治療ゴールは“臨床上の歯列不正を認めない”時点です.

治療費と時間を割いたのだから“納得いくまでやりたい”と思われる気持ちは理解できます. しかしながら,矯正治療は歯列不正に対する治療であり,臨床上の問題所見を認めない時点を治療終了としています.

「どうしても1箇所気になる部位がある」 「治療後の歯の形に満足していない」等 治療終了後でも,“歯列不正”’に伴い生じる,矯正治療後の“痕跡”や“左右歯の形態の違い”は残りえます. 歯科矯正は,明らかな美容を一番の優先事項とする,美容外科（美容歯科）とは同じではないです.