医療法人翔陽会

世界基準の矯正治療を目指して ― PGDip取得時の症例検討から紐解く、オーダーメイド治療の真髄

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世界基準の矯正治療を目指して
― PGDip取得時の症例検討から紐解く、オーダーメイド治療の真髄

世界基準の矯正治療を目指して ― PGDip取得時の症例検討から紐解く、オーダーメイド治療の真髄

2026/02/26

なぜ、症例はまとめないといけないか?

「綺麗な歯並び」を作ることは、矯正治療のゴールの一つに過ぎません。真のゴールは、患者様のライフスタイルや機能面、そして将来の健康までを見据えた「根拠のある治療」を提供することです。 今回は、私がPostgraduate Diploma(eduqual認定)を取得する際に提出したケースレポートをもとに、当院が大切にしている「アカデミックな視点」での症例分析をご紹介します。

症例提示

正中離解と叢生を伴う33歳女性のケース

本症例の患者様は、声楽家として活動されており、「上下の歯の並び」と「正中(前歯の中心)のズレ」を主訴に来院されました 。

【患者様のご要望と背景】 職業柄(声楽家)、目立つ矯正装置を避けたいという強い希望 。 遠方にお住まいで、通院回数を最小限に抑える必要がある 。

また初診時、妊娠中であったため、放射線被曝を避けるべく精密検査のタイミングを慎重に検討(出産後に詳細なOPG撮影を実施) 。

学術的アセスメントと診断

口腔内の詳細な分析により、以下の問題点が浮き彫りになりました。

Dual Bite(二重咬合)の存在: 上顎・下顎の叢生(ガタガタ)により、下顎の動きが制限され、スムーズな咀嚼が妨げられている状態 。

スペース不足: 歯を理想的な位置に並べるためのスペースが根本的に不足 。

前歯部への集中: 主な問題は前歯部に集中しており、特に上顎の側切歯(UR2/UL2)が下顎の歯列を乗り越えて並ぶ必要がある 。

治療計画:科学的根拠に基づいたアプローチ

患者様の「インビザラインのみで治療したい」という強い希望と、解剖学的な制約を天秤にかけ、以下のプランを立案しました。

抜歯によるスペース確保: 上下顎の第1小臼歯(4番)を抜歯。これにより、臼歯部の関係(噛み合わせの前後的な位置)を変えずに、前歯部のみを移動させて叢生と正中を改善する計画を立てました 。

ハイブリッドな判断: 当初はマウスピース型装置(インビザライン)のみでの完遂を目指しましたが、クリンチェック(3Dシミュレーション)の結果、抜歯部位の閉鎖にはワイヤー矯正(デーモンシステム)の併用がより確実であると判断し、最短期間でのリカバリーを組み込みました 。

 ※注:この症例は10年前のものであり、現在はインビザラインの技術向上により、同様のケースもマウスピースのみで対応可能です 。

治療経過と結果

約1年の治療期間を経て、以下のような成果が得られました。 抜歯スペースは完全に閉鎖 。

臼歯の噛み合わせ関係を維持したまま、前歯部のみを適切に移動させ、正中の改善を達成

叢生の解消により、懸念されていたDual Bite(二重咬合)も改善されました 。

結びに

なぜ「ケースレポート」を書くのか SNSで見かける「短期間で終わる」「安価な」矯正広告とは異なり、当院で行う完全自由診療の矯正は、こうした綿密な診断と学術的な裏付けに基づいています。

10年前の症例であっても、当時の診断プロセスや治療計画を論理的に振り返ることができるのは、世界基準のディプロマ取得に向けた厳しい症例報告(Case Report)の訓練を積んできたからこそです。 「映え」のためではない。患者様の10年、20年先の口腔環境を守るための「アカデミックな歯科医療」を、北上インプラントデンタルオフィスは追求し続けます。

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