嘔吐反射への対応
2025/03/05
嘔吐反射は、検査や資料採取の段階から問題となることがあります。適切な検査や資料採取ができないと、正確な診断が難しくなり、積極的な歯科治療の妨げとなる可能性があります。
嘔吐反射を和らげながら治療を進める方法として、行動療法、指圧・鍼灸、催眠療法、音楽療法、薬物療法などがあります。
1. 局所的要因
鼻中隔湾曲 鼻づまり(鼻閉) 後鼻漏 副鼻腔炎
2. 医学的要因
慢性胃炎 胃がん、すい臓がん 胃切除後の後遺症 □咳
3. 社会的要因
喫煙 アルコール依存傾向
4. 心理的要因
ストレス 歯科恐怖症 アルコールや薬品のにおい
5. 医原性要因(治療が原因で起こるもの)
治療中の水や吸引チューブによる口腔内の気圧変化
使用する器具の大きさ 局所麻酔の影響 レントゲン撮影時の閉塞感
6. 歯科特有の要因
不安定な入れ歯 歯科治療による歯の形態変化
特に、多くの場合は 歯科医院への不安やストレス が最大の要因となります。強い不安を感じると、局所麻酔の注射や歯科治療時の音を聞いただけで嘔吐反射が誘発されることがあります。
嘔吐反射への対応策
軽度の場合
治療前に落ち着ける環境を整える
印象採取(歯型を取る処置)や抜歯など、時間がかかる処置や侵襲性の高い治療を避ける
中等度~重度の場合
検査や資料採取が困難な場合もあり、必要に応じて医科と連携できる病院歯科での治療が適していることもある
最新技術の活用
現在では IOS(口腔内スキャナー) を用いることで、水や粘土を使用せずに一部の資料採取が可能になっています。また、口を開けておく時間を短縮できるため、嘔吐反射のリスクを軽減できます。