笑気吸入鎮静法(リラックスして歯科治療を行う)
2024/07/24
笑気吸入鎮静法の使用とメリット
笑気は鎮静作用に加えて鎮痛作用を持っています。つまり笑気吸入鎮静法を用いればリラックスすると共に痛みを感じにくくもなります。 笑気を吸入させながら局所麻酔を行うと、「痛みをとるための麻酔が痛い」というジレンマが軽減されます。 気分が悪くなったり血圧が上昇したり…といった全身的な不快事項のほとんどは不安感や恐怖心が原因です。笑気吸入鎮静法はこれらのストレスを和らげ、さらに高濃度(70%以上)の酸素を一緒に投与するので治療の安全性を高めます。
笑気の特徴
①弱い鎮静・睡眠作用と鎮痛作用があります
笑気は正式には亜酸化窒素(N2O)といい、吸入麻酔薬の一種です。鎮静・睡眠作用と鎮痛作用を合わせて麻酔作用と呼びますが、笑気は弱い鎮静・睡眠作用を持っているところが特徴です。従って、全身麻酔作用(意識消失・健忘・呼吸抑制)はありません。
②効果の発現と消失は極めて速やかです
吸入させると速やかに効果を表し、中止すれば直ちに排泄されるという性質を持っています。吸入中止後数分で帰宅可能となるのはこのためです。
③呼吸器や循環器にほとんど影響を与えません
肺や心臓に障害を持っている患者さんにも安全に使用できます。
④肝臓には負担をかけません
多くの薬剤は代謝に際して肝臓で分解され、その結果生じた分解産物の薬理作用についても注意が必要になりますが、笑気は体内でほとんど分解されません。
笑気吸入鎮静法の安全性
笑気が麻酔薬として広く用いられるのは、適度な鎮静作用と強い鎮痛作用を持ち、効果の発現と消失が速やかで、重要臓器に影響を及ぼさないためです。 鎮静法ではこれからの優れた特徴を持つ笑気を30%以下という低い濃度で(全身麻酔で使用する場合は50%-70%)、鼻呼吸により(いつでも口呼吸)70%以上の酸素とともに(空気中の酸素濃度は約21%)吸入させる極めて安全性の高い方法です。